6人の作家によるショートショートの扉

はじめに 髙井 信

 久しぶり~。みんな、ショートショート書いてる~?
小学生のためのショートショート講座」最終回で、「秋から新しい企画(きかく)が始まる」と書いたの、おぼえてるかな。

 お待たせ! いよいよはじまるよ。

 それは――

 ジャジャーン! ショートショートの連載(れんさい)なのでした。

 全25回の講座で、ショートショートに関する基本的なことは話したつもりだ。重要な作家や作品、そして書き方まで。あとは、どんどん読んで、どんどん書くだけなんだけど……。

 連載の第10回で「ふだん大人むけの小説を書いている作家は、やはりショートショート集も大人むけが多く、子どもむけのものは少ない」と書いた。これはとっても残念なことだよね。

 でも、残念と思っているだけでは何も始まらない。少なければ増やせばいいじゃないか。新しく書けばいいじゃないか。そうだそうだ、そうしよう。

 ぼくひとりで書いてもいいんだけど、どうせだったら、ほかの作家にも書いてもらいたいな。作家にはそれぞれの個性がある。読む側としても、いろんなタイプのショートショートを読むほうが楽しいよね。それに、ちがったタイプの小説に接したほうがショートショートを書くうえでも参考になる。幅(はば)が広がるといったらいいかな。

 当たり前といえば当たり前だけど、ぼくの友だちにはショートショートを得意とする作家も多い。そんな友だちに声をかけたら、みんなこころよく「書くよ~ん」といってくれた。うれしくて、涙(なみだ)が出ちゃうね。

 で、これから連載が始まるわけだけど、その前に少しだけおさらいをしておこう。――ショートショートの3要素だ。
・完全なプロット(筋立て)
・新鮮(しんせん)なアイデア
・意外な結末

 連載でも何度も書いたから、おぼえているよね。ただ、この3つは重要なんだけど、絶対ではないということも忘れてはいけない。ショートショートにかぎらず、小説って、おもしろければなんでもオーケーなんだよね。基本をはずしたところにおもしろさが生まれることもある。

 そんなことも考えながら、連載を楽しんでくれたらいいなと思っている。
 連載の第1回は、江坂遊(えさかゆう)さんにお願いすることにした。講座でも何度も名前が出ていたから、みんな知ってるよね。星新一ショートショート・コンテストの入選者。星新一の唯一(ゆいいつ)の弟子にして、これまでに1000編以上のショートショートを書いてきた作家だ。

 トップバッターとして、最高の人選だと思う。江坂さんにつづくのは……これはナイショにしておこう。毎月、次はだれかなあ、と楽しみに待っていてね。意外な作家も登場するかもよ。

高井 信

1957年名古屋市生まれ。1979年、SF専門誌「奇想天外」にショートショート2編が掲載され、作家デビュー。ショートショート関連の書誌等の発表や書籍の収集もおこなっている。作品に『うるさい宇宙船』『夢中の人生』『ショートショートの世界』などがある。